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【2025/03/11 02:29 】 |
残業代請求
本ブログでは、残業代請求について触れている裁判例を紹介しています(つづき)。

【控訴人】
(一)本件協定による超勤深夜手当(残業代)(時間外・深夜割増賃金(残業代))に係る合意は、基準賃金を基にして割増賃金(残業代)が計算されるべきであるとする労働基準法三七条の定めに完全には合致しないものであるが、本件協定は、前記のような控訴人の営むタクシー業務の性質、特殊性等を踏まえて、団体交渉を長期にわたって何度となく繰り返し、漸く成立するに至ったものである。このように、労働基準法所定の計算方法では計算ができないのを承知の上で、水揚額に応じて一定の率を乗じた額を総支給額とし、その中に時間外・深夜割増賃金(残業代)を定額化して含ませることにしたものであるから、本件協定等による超勤深夜手当(残業代)の合意には十分合理性がある。
 労働基準法三七条の趣旨は、法定外労働に対して通常の賃金額の一定率以上の割増賃金(残業代)を支払うことを使用者に義務付けることによって、同法が定める労働時間制及び週休制の維持を図るとともに、労働者の過重な労働に対する補償を行わしめることにあると解されるが、この点、タクシー乗務は、ある程度の法定外労働を伴う宿命をもった職業であるから、できるだけ法定外労働を少なくする努力が必要であるとしても、むしろ、これに適正な補償がなされているか否かに重点が置かれるべきであり、労働協約で定めた法定外労働に対する補償方法が、労働基準法の定めと異なるとの一事をもって無効になると解すべきではない。
 また、割増賃金(残業代)は、賃金中相当なウエイトを占めることは明らかであるから、それを含ませなければ、水揚額の四八パーセントなどという数字は出てこない。一体として協定されたものであるから、部分的な無効を考える余地もない。
 したがって、本件協定による超勤深夜手当(残業代)の合意は有効と解すべきである。
(二)高知県観光事件の判例等に照らせば、割増賃金(残業代)の支払がなされたか否かについては、通常の労働時間の賃金に当たる部分と時間外・深夜割増賃金(残業代)に当たる部分が判別できるか否かが重要なメルクマールになるべきところ、本件ではその区別が明確である。
 すなわち、労使間の協議の結果、超勤深夜手当(残業代)は、昭和五六年八月一〇日の協定により四万八四〇〇円、昭和六〇年一二月二一日の合意により五万六〇(ママ)〇〇円と定められ、その後昭和六三年三月に二交替勤務者について超過勤務手当(残業代)が四万六三〇〇円に減額されたところ、控訴人は、これらの定めに従い被控訴人らに対し超勤深夜手当(残業代)を支給してきたものであるから、控訴人の給与体系においては、支給されてきた割増賃金(残業代)の金額と、それ以外の給与部分は明確に峻別できるものである。
 また、後記のとおり、支給されてきた超勤深夜手当(残業代)の額と、労働基準法三七条に従って正確に算定した支払われるべき割増賃金(残業代)との金額の過不足も計算できる。
 したがって、前記判例等に照らしても、本件協定等による割増賃金(残業代)の合意は有効というべきであり、これに従い控訴人は割増賃金(残業代)を支払ってきたものである。

3 信義則違反(争点3)
【控訴人】
 控訴人は、経営が成り立つ限界まで譲歩して、賃金に関する協定を組合と締結してきたものであり、これ以上の人件費の支出は控訴人の経営の破綻につながる。また、被控訴人らは、労使間で支給額中に割増賃金(残業代)を含むとの合意をし、それによって高い比率の歩合給を獲得し、現実にその合意に基づく支給を受けながら、割増賃金(残業代)の支払方法が労働基準法三七条に合致しないとの理由で、別途割増賃金(残業代)を請求しており、自己矛盾がある。さらに、控訴人は、平成元年六月一六日、徳島労働基準監督署から、賃金体系について指導を受け、早速その改訂に取り組み、改訂案を作成のうえ数度にわたって、全国一般労組及び県自交労組に団体交渉を申入れているが、両組合は具体的な交渉に応じようとしない。かかる状況の下でなされた被控訴人らの本件請求が認容されるとすれば、控訴人としては、賃金体系の改訂もできないままその違法性を指摘され、これを是正する術がなく、かつ、割増賃金(残業代)を支払い続けなければならず、被控訴人らの本件請求は、労使間の信義則に反するものとして許されない。
【被控訴人ら】
 控訴人は、超勤深夜手当(残業代)の合意を前提に、被控訴人らの請求が信義則に反すると主張するが、割増賃金(残業代)についての実質的合意が存在しないことは前記のとおりであるから、その主張は前提を欠くものである。
 また、控訴人は、親会社の徳島バスから多額の借入をなしていることにし、決算期毎にその一部を返済する形で帳簿上赤字会社の処理をしているのであって、その利益は決して少なくない。被控訴人らの給料は勤務年数が長くても二〇万円を少し超える程度であり、かかる低賃金・長時間労働の実態こそ重視されるべきである。
4 消滅時効(争点4)
【控訴人】
 被控訴人らの請求する平成三年五月分から同年八月分の未払割増賃金(残業代)については、本件訴えの提起時までに各弁済期の翌日から起算して二年の消滅時効期間(労働基準法一一五条)が経過したところ、控訴人は、被控訴人らに対し、平成五年一一月五日の原審第一回口頭弁論期日において、右時効を援用する旨の意思表示をした。

企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、御社の顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、会社都合の不当な解雇交通事故の示談交渉や慰謝料交渉相続や遺言の問題原状回復(敷金返還)多重債務の返済家族の逮捕などの刑事弁護事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

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【2011/03/03 15:38 】 | 残業代の請求2
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